いつかおとずれる大切な人との別れはとても辛いもの。
ですが故人が家族の場合、嘆き悲しんでいる暇はありません。
大切な故人の最後のお別れのために葬儀の準備をしなければならないからです。
ですが、葬儀には意外とお金がかかるのをご存知でしょうか?
今回は、葬儀にかかる費用とともに葬儀後に受け取れる公的給付金の手続き方法についてご紹介します。
目次
葬儀費用は意外と高い!公的な給付金制度を利用しよう
葬儀に参列したことはあるけれども、身内の葬儀を催したことはないという人は意外と多いものではないでしょうか?
私も曾祖母が亡くなるまでは、身内の葬儀を経験する機会がありませんでした。
曾祖母は90歳という大往生で、知人はほとんど亡くなっていましたが、葬儀には最後にお世話になった老人ホームのスタッフや近所の人など多くの人が参列していました。
参列者が多いとそれだけ香典も頂けますが、接待費も多くなります。
実際に曾祖母の葬儀には総額150万円かかりました。
なお、日本消費者協会が2010年に行った『第9回葬儀についてのアンケート調査』によると、過去3年間に身内の葬儀にかけた費用の総額は全国平均で1,998,861円。
人間は生きるのにもお金がかかりますが、亡くなってもお金がかかるりますよね。
葬儀費の内容とは
平均で約200万円近くかかる葬儀費ですが、以下の項目によって算出されます。
・葬儀費用
・おもてなし費用(料理・飲物・お返し品)
・施設使用料(式場使用料・火葬料金・火葬場控室料金・ご安置料金)
・その他費用(宗教家へのお礼など(通夜、葬儀・告別式や初七日法要の読経、お車代))
※宗教家へのお礼は宗派や戒名などでお布施の金額が異なります。
・おもてなし費用(料理・飲物・お返し品)
・施設使用料(式場使用料・火葬料金・火葬場控室料金・ご安置料金)
・その他費用(宗教家へのお礼など(通夜、葬儀・告別式や初七日法要の読経、お車代))
※宗教家へのお礼は宗派や戒名などでお布施の金額が異なります。
葬儀の内容や規模によってこれらの項目は変わります。
葬儀費の公的給付金
意外と高い葬儀費ですが、葬儀後に所定の手続きを行うことによって、各保険や組合から葬祭費用の給付金を受け取ることができます。
葬祭費
国民健康保険加入者本人または被扶養者の方が亡くなった際に保険証の返却・変更の手続きを行うと支給される給付金。
【葬祭費給付金の金額】50,000~70,000
埋葬料
社会保険加入者本人または被扶養者が死亡した際に手続きをすると支給される給付金。
【埋葬費給付金の金額】上限50,000円
国家公務員が受け取れる葬祭費
国家公務員共済組合に所属している者が死亡した際に手続きをすると受け取れる給付金
【葬祭費給付金の金額】100,000円~270,000円※各組合によって金額の上限あり
葬儀費の給付金の手続きの方法と注意点とは?
葬儀後に手続きをすると公的給付金が受け取れることが分かりました。
では、実際に給付金の手続きをするには何が必要で、どこで手続きをすればいいのでしょうか?
公的給付金の手続き方法
故人が加入していた保険や組合によって、準備するものは異なります。
ここでは、国民健康保険に加入していた場合と社会保険に加入していた場合に着目して給付金の手続きについてご紹介します。
国民健康保険加入者の場合
【申請書】「国民健康保険葬祭費支給申請書」
【申請先】被保険者の住所がある市区役所・町村役場
【必要なもの】
・国民健康保険証
・死亡診断書
・葬儀費用の領収書
※領収書がない場合は、葬儀社の電話番号、案内状、挨拶状など、喪主が確認できる書類。
・印鑑(喪主)
・口座振替依頼書(喪主名義)
・受取人名義の預金通帳
・死亡診断書
・葬儀費用の領収書
※領収書がない場合は、葬儀社の電話番号、案内状、挨拶状など、喪主が確認できる書類。
・印鑑(喪主)
・口座振替依頼書(喪主名義)
・受取人名義の預金通帳
【請求期限】死亡日から2年
社会保険加入者の場合
【請求用紙】「健康保険埋葬料」請求書
【請求先】被保険者の勤務先を管轄する社会保険所または勤務先の健康保険組合
【必要なもの】
・健康保険証
・死亡を証明する事業所の書類。
・葬儀費用領収書
※領収書がな場合は、葬儀社の電話番号。案内状、礼状等。
・印鑑
※被保険者が死亡した場合は住民票が必要
・死亡を証明する事業所の書類。
・葬儀費用領収書
※領収書がな場合は、葬儀社の電話番号。案内状、礼状等。
・印鑑
※被保険者が死亡した場合は住民票が必要
【請求期限】死亡日から2年
公的給付金の手続きの注意点
葬儀後の給付金に必要な手続きは、国民健康保険も社会保険もほとんど変わらないのですが、2点注意点があります。
まず1点目が申請する場所。
国民健康保険加入者は、住民票を置いている市役区役所・役場で手続きができますが、社会保険加入者は、勤務先の健康保険組合になります。
社会保険加入者の家族が居る人は、万が一の時のために、家族の勤務先の社会保険組合がどこなのか確認しておきましょう。
2点目が給付金の請求期限が2年であること。
この期間を過ぎてしまうと公的給付金を受け取ることができません。
これは私の経験なのですが、曾祖母の葬儀後、喪主を務めた祖父は、公的給付金の手続きがよくわからずそのままにしていました。
その結果、後から書類を見つけた家族が慌てて手続きをして、申請期間ギリギリになって給付金を受け取ったということがありました。
葬儀後は何かと忙しく、バタバタすることが多いので公的給付金の手続きを忘れがち。
故人が亡くなった後にバタバタすると大変なので、今のうちにしっかりと確認しておきましょう。
葬儀は給付金制度を利用すれば生活保護者でもできる?
日本の生活保護者は年々増加しており厚生労働省の調査によると、平成29年2月時点で2,141,881 人と言われています。
年齢が若ければ時間をかけて生活保護から脱することができますが、高齢者になって生活保護を受けるとなかなか脱することは難しいですよね。
そのため生活保護を受けて、貯金ゼロのまま亡くなってしまうことも。
近くに家族や親せきが居ない、けれども知人として故人を簡単な葬儀で見送ってあげたいと思う優しい人も中にはいるのではないでしょうか。
でも、葬儀費は見送ってあげたいと思う人が自己負担として支払わなければならないとなると、葬儀を諦めざるを得なくなりますよね。
ですが、ご安心ください。
生活保護者の葬儀費は、手続きによって市町村から給付金が支払われます。
葬儀費の給付金は市町村によって異なりますが全国平均で大人206,000円以内 小人164,800円以内と定められています。
私が老人ホームに勤めていた際、生活保護で身寄りがない人の看取りをしました。
その際に、この費用を使って葬儀屋さんと相談し小さな葬儀をした経験があります。
老人ホームで一緒に過ごしたご利用者様やスタッフのみの葬儀でしたが、とても穏やかな時間が流れていました。
このように生活保護者でも、給付金の手続きをすれば小さな葬儀は可能ですので、是非、葬儀を催してみてはいかがでしょうか。