老人ホームでは毎日のようにレクリエーションが行われており、入居者の多くがレクリエーションを楽しみにしています。
しかし、介護スタッフの中には、どんなレクリエーションを行えば皆さんが楽しんでくれるのか、悩んでいる人もいるでしょう。
そこで今回は、老人ホームのレクリエーションで人気の高齢者向けレクを5つ紹介します。
目次
老人ホームのレクリエーションは簡単で誰もが楽しめるものにする
老人ホームに入居している人の身体機能や認知機能は、決して一定ではありません。
ですから、身体機能の高い人や認知機能に問題がない人のレベルに合わせたレクリエーションを企画してしまうと、車いすや麻痺のある方が参加できなかったり、認知症の人にはルールが難しくて理解できない、といったことが起こってしまいます。
老人ホームでのレクリエーションを企画するうえで大切なのは「簡単で誰もが楽しめる」ということです。
具体的には、①簡単な動作で行える②ルールが理解しやすいレクリエーションを考えましょう。
そのうえで、一人でやるには難しいと思われる場合には、スタッフが手助けをするなどの工夫をし、レクリエーションに参加される皆さんが楽しめるようにすることが大切です。
老人ホームのレクリエーション人気ナンバー1:風船バレー
それでは、ここからは老人ホームで人気のレクリエーションを紹介していきます。
老人ホームで行われるレクリエーションの中でも、最も人気があるのが「風船バレー」です。
私の働いていた施設でも、風船バレーは人気が高く、普段はレクリエーションに参加されない人も積極的に参加されるほどの人気ぶりでした。
風船バレーの人気が高い理由は、ズバリ「ルールが簡単」だから。
風船バレーのルールは、「風船が目の前にきたら打ち返す」だけです。
ルールが理解できない重度の認知症の人でも、風船が目の前にきたらたいていの場合打ち返してくれます。
風船は軽いので、高齢者の弱い力でもよく飛ぶので、力が弱い方や麻痺があって片手しか使えなくても遠くへ飛ばすことができるでしょう。
また、打った後どこへ飛んでいくかわからないので、飛んでいく方向を考える計算力や判断力のトレーニングにもなります。
ただし、熱中しすぎて転倒することがあるので、見守るスタッフの数をある程度確保したり、座って行うなど安全に行えるような工夫が必要です。
老人ホームのレクリエーション人気ナンバー2:ビンゴ大会
老人ホームのレクリエーションでは風船バレーのような運動レクのほかに、頭を使うレクも人気です。
その中でも特に人気が高いのが「ビンゴゲーム」です。
「ビンゴゲーム」は個人戦でもグループ戦でも行うことができるので、人数を選ばないところも人気が高い理由の一つでしょう。
高齢者レクで行うビンゴは、一般的な25マスでは難しいと感じる人も多く、時間内に終わらない可能性もあります。
老人ホームでのレクリエーションでは、9マスで行うと集中して最後まで楽しんでもらうことができます。
お題は、色や動物など簡単なものを選ぶと、マスを埋めやすいでしょう。
おすすめは、「入居者や職員の名前」と「都道府県」です。
入居者や職員の名前は、自分の名前が出てきたときに大変盛り上がりますし、都道府県は出身地や思い出の旅行先など話が広がりやすくなります。
老人ホームのレクリエーション人気ナンバー3:紙ひこうき飛ばし
老人ホームのレクリエーションの中では、工作や創作も人気があります。
その中でも工作とゲーム性を兼ね備えたのが「紙ひこうき飛ばし」です。
まずは、自分で紙飛行機を作ってもらいましょう。
1人で作るのが難しい方はスタッフと一緒に作ったり、あらかじめ作ったものを用意しておき、選んでもらうのも良いですね。
紙ひこうきができあがったら、飛ばして距離を競います。
どれだけ遠くに飛ばしたかを競ってもいいですし、床にテープで描いた円を目指して飛ばすなども良いでしょう。
ダーツのように飛んだ場所によって点数を付けるのも盛り上がります。
私が働いていた施設で行った時には、レクリエーションが終わった後も自室で紙飛行機を作り続け、次の大会に一番良くできた飛行機で参加される人もいました。
老人ホームのレクリエーション人気ナンバー4:棒サッカー
老人ホームのレクリエーションでは、チームに分かれて対抗するレクリエーションも人気があります。
その中でも人気が高いのが「棒サッカー」です。
棒サッカーは2チームに分かれて向かい合い、棒でボールを打ち合い互いのゴールを目指す運動系レクです。
棒は新聞紙を棒状に丸めたものが、丈夫で使いやすいでしょう。
この棒を入居者に作ってもらうのも良いですね。
チームで協力して行うので、お互いに声を掛け合うことで協調性も高まります。
私が行った時も、普段はあまりしゃべらない人が大きな声で指示を出されるなど、集中して楽しまれていました。
風船バレーと同様に、白熱してくると転倒などの原因になりますので、スタッフの人数を確保しておきましょう。
老人ホームのレクリエーション人気ナンバー5:私は誰でしょうゲーム
周りの人と協力して行うゲームでは「私は誰でしょうゲーム」も人気があります。
「私は誰でしょうゲーム」は簡単に言うと物の名前を当てるクイズゲームです。
回答者を一人決めたら、回答者にわからないようにお題を決め、残りの人がヒントを出して回答者に答えてもらいましょう。
ヒントから回答を導き出すのが難しい人には、ヒントを出す側に回ってもらったり、お題を決めてもらうのも良いですね。
ルールが簡単で、認知能力に合わせた出題もできるので、いろんな方に楽しんでもらうことができます。
まとめ
老人ホームでは毎日レクリエーションが行われるため、同じようなレクが続くと入居者の方も飽きてきてしまいます。
今回紹介したレクリエーションは、私が実際に行ったものばかりで何度やっても皆さんが盛り上がるものばかりです。
それでもマンネリ化を防ぐためには、使う道具を変えたり、少しだけルールを変更するなどの工夫をしてみてください。
そうすれば、今までやったことのあるものでも新鮮に感じて楽しんでもらえることでしょう。