介護をしている人や、親が高齢になってきた人にとって悩ましい選択があります。



それは介護施設に入れるか、在宅介護を続けるかと言う問題です。



そこで今回は施設介護、在宅介護のメリットとデメリットをまとめました。



2つの介護の方法を見比べて、自分の家庭にあった介護方法を選んでみてくださいね!



「介護施設のメリット・デメリットを紹介!」





まず介護施設を利用するとはどういうことを指すのか整理しておきましょう。



一般的に介護施設は公的施設と民間運営の2種類に分けることができます。



公的施設は特別養護老人ホームや、介護老人保健施設、ケアハウスなどを指します。



比較的安価で入ることができますが、その分入所待ちをしている人が多いです。



民間運営の介護施設は、介護度が高くても入れる介護付き有料老人ホームや、自立している高齢者が暮らすサービス付高齢者向け住宅などを指します。



こちらは入るための費用が高いですが、すぐ入所することができます。



施設によって入所のための条件が違うこともあるので確認が必要です。



利用できるサービスがどのようなものかわかったところで、介護施設のメリットとデメリットを紹介していきます。


「介護施設を利用するメリット」




「介護施設のメリット1:常に利用者を見てくれる職員や看護師がいる」




介護施設のメリットとしてまず挙げられるのは、介護の専門家に状態をチェックしてもらえることです。



特に認知症などの症状を持つ人は、在宅介護では目を離せません。



ですが施設で介護してもらうことによって、複数の職員さんが状態をチェックしてくれます。



在宅介護と比較して介護施設が安心できるポイントと言えます。



「介護施設のメリット2:入浴や食事など一括で世話をしてくれる」




また食事や入浴など生活に必須なサービスを受けることができるのも安心ポイントです。


家庭での入浴は滑るなどのリスクが伴い、狭い浴室内で頭をぶつけるなどの危険があります。



ですが施設は浴室自体が広く、手すりなども設置されています。



職員のサポートによって危険なく入ることができます。




また施設ではその人に合った食事を作ってくれることがメリットです。



咀嚼が苦手な人のために細かく刻んでくれた食事や、噎せてしまいやすい人用にソフト食などもあります。



薬の管理もしてくれるため飲み忘れがありません。



これらのサービスはデイサービスでも行われていますが、施設で暮らすことで時間的余裕があるため、安心してお風呂や食事をすることができます。


「介護施設のデメリット」




「介護施設のデメリット1:集団生活が合わない被介護者もいる」




ですが逆にデメリットも存在します。



介護施設では同じく介護が必要な人と一緒に生活することになります。



自分の好きなように生活することができないとストレスを感じる人もいるでしょう。



部屋が共同であることも多いためプライバシーが守られず、同室の人との相性が大切になってくることも事実です。



被介護者の介護度や、本人の意向によってどのような施設に入るかどうか検討する必要があります。




「介護施設のデメリット2:入りやすいところは入居一時金がかかる」



(画像元:LIFULL介護)



また、有料老人ホームの場合などの民間運営の施設は入るために、初期費用が掛かります。



特別養護老人ホームや介護老人保健施設は公的施設のため入居一時金は掛からず、月額利用料は1割負担で入ることができます。



ですが安い分多くの人が順番待ちをしている可能性があります。



グループホームや有料老人ホームは入りやすい分費用が高いです。



上記の図は介護専用型の老人ホームに入った場合に想定される費用です。



入居一時金がかからない施設もありますが、その分月額が高いケースもあります。



入居一時金を払った後も、家賃や管理費などの居住費や、食費もかかるため、民間運営の老人ホームに入るためにはそれなりのお金が必要であると言えるでしょう。



「在宅介護のメリット・デメリットを紹介!」





在宅介護をする場合でも様々なサービスを受けることができます。



メリットとデメリットを見ていく前にまずどのようなサービスがあるのか確認してみましょう。



家で寝泊まりすることが基本となりますが、その生活の補助をしてくれる訪問介護サービスも、在宅介護で受けられるサービスの一つです。



平日、目を離せない介護者の代わりに一時的に被介護者を預かる「デイサービス」も在宅介護に欠かせないサービスです。



デイサービスでは入浴や食事もサービスに含まれており、家庭の負担を減らすことができます。



病院に行けない高齢者のために看護師や医師が訪問してくれる訪問看護や、家から出られない人の風呂の補助をする訪問入浴介護保険適用内で受けられます。



在宅介護に使えるサービスはたくさんありますが、どれを組み合わせるかは難しいものです。



ケアマネージャーに相談しながら家庭環境に適した介護計画を立てましょう。



多岐にわたるサービスを利用できる在宅介護ですが、そこにはどのようなメリット、デメリットが存在するのか確認してみましょう。



在宅介護のメリット




「在宅介護のメリット1:高齢者の状態や希望に合わせやすい」




様々なサービスがある在宅介護ですが、そのメリットは組み合わせ次第で望んだサービスが受けられることです。



高齢者の中には家から出たくない人や、なるべく自宅で生活したい人もいますよね。



そのような人には訪問介護のサービスを使い、家事を手伝ってもらうことで在宅の状態でも介護することができます。



私の祖母も在宅介護サービスを利用しているのですが、平日3日はデイサービスで入浴などのサービスを受け、残りは訪問介護を使い、ヘルパーさんの助けを受けながら家でゆっくりしています。



このように在宅介護ではサービス利用者である被介護者の状況に応じて様々なサービスを使い分けることができるのです。



「在宅介護のメリット2:比較的介護費用が安く済む」




また在宅介護においてのメリットは費用面です。



在宅介護ではデイサービスや訪問介護など複数のサービスを利用します。



ですが先に紹介したサービスは保険適用内で利用することができます。



例えば要介護3の人がデイサービスを7時間以上利用した場合、介護費は一日1,000円程度で済みます。



市町村によって差はありますが、たいていの場合施設に入る場合の初期費用や家賃などと比べると、安価で利用することができるでしょう。



在宅介護のデメリット




「在宅介護のデメリット:介護度によって家族の負担が大きくなることも」




ですが在宅介護にもデメリットが存在します。



介護サービスの多くは日中世話をしてくれるものが多いです。



お泊りなどのサービスも利用することができますが、基本的に夜は家で介護することになります。



デイサービスなどを利用していても家族は必ず世話をしなくてはいけません。



介護度が上がるにつれて負担も大きくなります。



介護施設と在宅介護。環境に合った方法を選ぼう





いかがでしたか?



介護する側にとって、どうしても悩んでしまう介護のやりかた。



比較してみたところ、介護施設による介護は在宅介護と比べて費用面の負担が大きいですが、プロのケアを長時間受けることができます。



逆に在宅介護は費用面の負担は少ないですが、家族の負担が多く、介護する時間が長くなります。



施設介護も在宅介護も、介護の方法の一つです。



「施設に入れることは親にとって不幸なのかもしれない」


そう悩む人もいるでしょう。



ですが、あなたが体を壊したり、仕事を辞めることになっては元も子もありません。



介護を通してうまく家族と付き合っていくために、環境に合った「介護施設」や「在宅介護」といった介護方法を選んでみてください。



その選択のための一助となれば幸いです。