葬儀費用の平均相場は?安くするコツと料金プランのカラクリ!
いざ自分が葬儀を執り行う時に気になるのが葬儀費用の事ですよね!
葬儀を執り行うなんて事は、人生でそう何度もあるものではありません。
だからこそ、どのくらいの費用がかかるのか?自分にその費用が払えるのか?不安に感じておられる方はとても多いのです。
ここでは葬儀業界に関わる私の経験も含めて、葬儀費用の平均相場や葬儀プランのカラクリについてお話していきたいと思います。
葬儀費用の全国平均相場は?葬儀プランまとめ!
日本消費者協会が実施した「第11回『葬儀についてのアンケート調査』報告書」によると、
葬儀にかかる費用の平均総額は約196万円となっています。
とは言っても、宗派・地域の慣習によって開きがありますので、一概にこれが相場!とは言い切れないのが現状です。
また時代の移り変わりにより、葬儀スタイルも多様化してきました。
ですから、どの様な葬儀を行うかによって、葬儀費用は大きく違ってくるのです。
ではどんなプランがあるのでしょう?代表的なものが次の3つです。
一般葬
友人・知人・仕事関係・近隣など故人とご縁のあった方を広くお呼びして行われる一般的な葬儀です。
当日は参列者への配慮などで精神的にも肉体的にも負担が大きくなりますが、メリットは一度に多くの方に故人を見送っていただけるので、葬儀後の弔問客の対応などの手間が少なくなる事です。
また一般葬では香典を受け取る事が多いので、葬儀費用の大部分を香典で賄える場合もあります。
平均費用は約80~200万+御布施と考えておかれると良いでしょう。
一般葬というと大きなお葬式という感覚を持っておられるかもしれませんが、選ぶ祭壇や会場などによって金額にも大きな差が出ます。
予算を伝えて葬儀社と相談する事で、なんとかなる事もあります。
故人にお友達が多かったり、ご近所等との繋がりが多くある場合は、一般葬を選ばれた方が良いと思います。
家族葬
親族やごく親しい人のみで通夜・葬儀を行います。
会葬者を限定する事以外は一般葬とほとんど変わりありません。
遺族が周りに気を使う事なく、ゆっくりと故人とのお別れが出来るのが特徴です。
一般葬と比べ会葬者への引出物や食事などの準備をする必要はないため、その分の費用は削減出来ますが、会葬者からの香典がないという事は、費用の全てを遺族が負担するという事です。
その為、一般葬よりも負担する費用がかかる場合もあります。
費用は約40~60万+御布施と考えておかれると良いでしょう。
また家族葬で気をつけなければいけないのは、後から訃報を知った方が「なんで呼んでくれなかったの?」「最期のお別れをしたかったのに」と自宅へ弔問に訪れる事です。
香典を持って来られれば返礼品を自分で準備する必要がありますし、結局対応に追われてへとへとに・・・なんていう事にもなりかねません。
葬儀は遺族だけではなく、故人、そして生前ご縁をつないだ全ての方々のためのものでもあります。
そういったトラブルにならない為にも、
家族葬を行う場合には親族にも理解を求め、慎重に判断する必要があります。
故人が生前から強く希望しておられたり、高齢や寝たきりの為に知り合いがほとんどおられない等の理由がある場合は家族葬を選ばれると良いと思います。
直葬(火葬式)
直葬は宗教的な儀式は一切行わず火葬のみのお別れです。
生前から故人が希望していたり、身内がほとんどいない、経済的に葬儀にかけるお金がない等、様々な理由で直葬を選ばれる方が近年増加しています。
ただし、葬儀を行わないという事については抵抗がある方が多いのも事実です。
葬儀は何の為に行われるのでしょうか?
色んな意見があるとは思いますが、私は遺された家族の為にあると思っています。
大切な家族を失い、それでもこれから生きていかなければならない家族が故人と最期のお別れをして気持ちの区切りをつけるための儀式なのではないでしょうか?
直葬をした後に、いつまでも心の整理がつかずに辛い思いをされている方もおられます。
直葬を望まれる場合は、安いからと安易に判断せず是非そういった事も考えてみられると良いと思います。
また親族間での誤解を避ける為にも、事前によく話し合いをされる事をおすすめします。
費用は地域によっても違いはありますが、約10~20万程度で行う事が出来ます。
火葬だけでは寂しい・・・という場合には、火葬炉前で僧侶にお経をあげてもらう事も出来ますので、その場合は僧侶への御布施等が必要です。
火葬だけといっても、火葬する為には死後24時間経過している必要があります。
その間にお寺様にお経をあげて頂いたり、親族が集まって故人との思い出を語り合ったりして、その家族なりのお別れの方法を考えてみてはいかがでしょうか?
葬儀費用を安くする4つのコツとは?
それではどうしたら葬儀費用を安くする事ができるのでしょうか?4つのコツをお話しましょう。
どういった葬儀をしたいのか考えをまとめましょう!
葬儀社から見積をもらいましょう!
セットプランが必ずしもお得ではありません!
葬儀社へ事前相談へ行きましょう!
コツ1:どういった葬儀をしたいのか考えをまとめましょう!
自分の考えがまとまっていないと、勧められるままに決まってしまいます。
どういった場所で、どれくらいの人数で、どんな葬儀をしたいのかを、なんとなくでも思い描いてみましょう。
希望を伝えたのにもかかわらず、強引に高いものを勧めてくる葬儀社はキャンセルしても問題ありません。
コツ2:葬儀社から見積もりをもらいましょう!
見積書をもらったら
「葬儀に関する全ての費用」を含んでいるか必ず確認しましょう。
全て含めていくらになるのか?しっかりと提示してくれる葬儀社を選ぶ事が大切です。
隅っこに小さく注意書きなどありませんか?
「葬儀一式○○万円!」という金額に全てが含まれている事はまずありえません。
葬儀費用は「葬儀一式費用」+「飲食・接待費用」+「寺院への御礼」で構成されている事をしっかり覚えておきましょう。
コツ3:セットプランが必ずしもお得ではありません!
前述した様に、セットプランには全ての費用が含まれていない場合が多いので注意が必要です。
また、
祭壇・棺・供花・供物・御膳・引出物等グレードが選べるものは選びましょう。
お得に感じるセットプランですが、祭壇や棺などのグレードを落とす事でセットプランよりも金額を下げる事が可能な場合もあります。
御膳や引出物の数も、必要以上に注文していないかもう一度確認しましょう。
コツ4:葬儀社へ事前相談に行きましょう!
私が葬儀のお手伝いをさせていただくようになってから10年程経ちますが、年々事前相談へ来られる方が増加しています。
そして「何から聞いたらいいのかわからないのですが、私の父が今入院していて・・・」という風に切り出される方がとても多いんです。
でも私はそれでOKだと思っています。
何故なら
葬儀の事は葬儀社が一番よく知っています。わからない事を恥ずかしがらずに伝えて下さい。
そして一緒にどういった葬儀をしたいのか、どういった葬儀が出来るのか考えてみられると自ずと不安は解消されるはずです。
葬儀費用のカラクリについて!
葬儀費用は主に次の3つの費用から成り立っています。
「葬儀一式費用」
「飲食・接待費用」
「寺院への御布施等」
見積書に記載されているのは「葬儀一式費用」だけの事が多く注意が必要です。
葬儀一式費用
葬儀を進行する際に必要な費用です。
祭壇・棺・棺花・遺影写真・仏衣・ホール使用料・供花・供物・骨壺・ドライアイス・遺体搬送料・送迎車・火葬料金等が含まれます。
飲食・接待費用
通夜ぶるまいや会葬者へお出しする御膳・オードブル・ドリンク料・返礼品・引出物等です。
会葬者の人数によって金額は大きく違ってきますので、葬儀が終わってみないと実際の金額はわかりません。
会葬者が予定していた数よりも多ければ、追加料金が発生する場合もあります。
見積の段階では「概算」として計上します。
寺院への御布施等
葬儀を執り行ったお寺様への御礼です。
金額は地域性やお寺様との関わりによっても変わってきます。
地域に密着した葬儀社であれば大体の目安は教えてもらえますが、わからない場合にはお寺様に直接確認しても失礼にはあたりません。
また、御布施の他に戒名代(法名)・御車料・御膳料などが必要な場合もありますので事前に確認しておきましょう。
葬儀費用の踏み倒しなどトラブル急増の訳とは?
近年、葬儀に関するトラブルが増加しています。
国民生活センターによると最も相談件数の多いトラブルは葬儀費用に関するものです。
「精神的にも時間的にも余裕がないまま、あっという間にいろんな事が決まってしまった」「葬儀の知識もなく、勧められるままに決めたら後から高額な請求がきた」等の声がよく聞かれます。
こういったトラブルは何故発生するのでしょうか?
そのトラブルの原因として、遺族側に葬儀に関する知識が不足している事があげられます。
知識がないと何が必要で何が必要ないのかが判断出来ず、いつの間にか葬儀社の考えた葬儀社の為の葬儀になってしまいかねません。
大切な家族を失った悲しみの中で費用の事を考えなければならないのはとても辛い事ですが、ずっと泣いて過ごす訳にはいきません。
なぜなら、実際に葬儀社を選び、葬儀を行うのは遺族なのです。
後で後悔しない為にも、今から葬儀に対しての「知識」を持ちましょう。
今回は費用の事に重点をおいてお話をさせて頂きましたが、費用が安いからいい葬儀なのか?というとそうではありません。
反対に費用をたくさんかけたからいい葬儀かというとそれも違います。
故人の遺志と遺族の心、両方が満足のいく形で葬儀を終えられるように、是非今からでも少しずつ葬儀の事を知っていただけると嬉しいと思っています。