介護4年目の主夫一郎です。
介護保険の要介護認定には調査(以下、認定調査)があり、いろいろと質問されます。この結果によって受けられるサービスが変わり、施設が利用できなくなるのではないかと、つい緊張してしまうものです。そこで今回は、公開されている調査内容を事前に知り、認定調査で失敗しないポイントを3つに絞り、書きたいと思います。
目次
【ポイントその1】介護保険の認定調査の目的と手段をとにかく正しく知る
このタイミングは、ちょうど介護を始めたばかりの不安なときです。よくある話しですが、慌ただしいなか実施される、抜き打ち試験のようなものです。それでなくても、わけのわからないことばかりの状態で、とかくいい加減な対応をしがちですが、それでいいのでしょうか。
厚生労働省のサイトによれば、「要介護認定は、介護サービスの必要度(どれ位、介護のサービスを行う必要があるか)を判断するもの」とのことです。これはなんだか、大事そうな感じがしませんか?
要介護認定はどのように行われるか(厚生労働省)
そしてこの目的にそって、認定調査の手段が設計されています。まずは、介護現場での調査(面談・ヒアリング)が行われます。そして、その結果にもとづいて「コンピュータによる一次判定」が行われます。
最後に「学識経験者が行う二次判定」が実施されます。判定結果の効果と効率を高めた、よく精査された方法と思っています。
【ポイントその2】介護保険の認定調査の内容を知る(情報収集)
まずは、「HOME’S介護」サイトにある判定のための項目が、とてもわかりやすく整理されています。一次判定の部分をそのまま引用します。
・基本動作、起居動作機能
・生活機能
・認知機能 (記憶・意思疎通)
・社会的行動
・社会生活への適応
・特別な医療
要介護認定 申請の流れ (HOME’S介護)
次にいよいよ本題ですが、厚生労働省のサイトには、ずばり下記の資料が公開されています。こちらに、しっかりと調査項目が記載されています。
「認定調査員テキスト2009改訂版(平成27年4月改訂)」(厚生労働省)
下記の項目にまとめられています。簡単に言えば、朝起きてから夜寝るまで日常生活の一つ一つの動作が、どの程度できるか、できないかを調査していると私は思っています。
・能力で評価する調査項目(起き上がり、両足での立位保持、意思伝達など)
・介助の方法で評価する調査項目の選択基準(洗身、トイレ、洗髪など)
・有無で評価する調査項目の選択基準(徘徊、感情不安定、ひどい物忘れなど)
やはり厚生労働省サイトにてなんとか調べることが、近道かもしれません。難しいという先入観を捨ててアクセスしてみてはいかがでしょうか。
【ポイントその3】本人と家族の状態を整理してまとめておく
介護保険の認定調査を依頼するくらいですから、以前とは違って、現状では何らかの日常生活で不具合が発生しています。そこに重点を絞り、アピールできるようにまとめておくのも重要です。
これは介護保険の認定調査のための作業ですが、そもそも自身の場合にはどこに問題があるのかを、明確に意識するステップです。現実を見据えるいい機会です。これまで、後回しにしてツケが回ってきた自身の戒めです。これは私の場合で、恥ずかしい限りです。
さて、私の母の場合には歩行、風呂、思考力、集団への不適応をピックアップしました。何ができなくなっているかを、具体的に頭の中で整理しておきました。
ほんとうはパソコンを使った方が、記録にもなるのでおすすめです。ただ、そこまでしている余裕がないといいますか、優先順位が高くないと思います。できる範囲でということです。
【ポイントその4】介護保険の認定調査本番では落ち着いて対応する
調査は何でもそうですが、とにかくありのままを見てもらうことが大事です。やはり実際よりもよく見せたり、逆に悪くみせたりして、少しでも有利に結果を出したい気持ちはわからなくはないですが、はっきり言って無駄です。相手はプロです。今までも多くの人を見ています。嘘はすぐに見破られます。
それより、自身の弱点をさらけ出してアピールすることの方がよっぽど効果はあると思います。どのようなサービスがこの家庭で必要とされているかが伝わるからです。これから作成しようとしているケアプランの内容にも、大きく影響してきます。
調査員も人です。いやらしい言い方ですが、相手の心情を動かす方がよっぽど結果は有利に働くものと私は思っています。
なお、この認定調査は原則1年毎の更新です。一度下された判定結果に従うのではなく、介護の状態の変化にも対応しています。どうぞ心配されないでくださいね。
介護保険制度自体の改正も行われていて、判定結果が不利にならないように工夫されていると私は思っています。今回(2015年)の改正のメリットについて、ポイントを別の記事でまとめています。よろしければご覧ください。
介護保険制度の改正で、私が得した3つのポイントと気づいたこと