大切な人が亡くなると深い悲しみに襲われますよね。



ですが、自分の家族や近い親せきが亡くなった場合、いつまでも悲しみに暮れている場合ではありません。



大切な故人を見送るための葬式の準備が待っているからです。



ですが、皆さんは人が亡くなってから葬式を終えるまでの流れをご存知でしょうか?



私は恥ずかしながら、5年前に曾祖母が亡くなるまで葬式の流れを全く知りませんでした。



今回はいざというときに慌てることがないよう、葬式の流れについて確認していきましょう。







葬式の流れ―まずは全体の流れと手順を確認








脅すわけではないですが、明日私たちが突然亡くなる可能性はゼロではありません。



大切な家族や身内が亡くなり、自分が喪主もしくはそれに近い立場になった時に慌てずに故人を見送ることができるよう、今のうちから葬式の流れについて把握しておきましょう。



今回は日本で9割の人が行っている一般的な仏式の葬式の流れについてご紹介します。



詳細を説明する前にここではまず葬式の流れの全体像を把握しましょう。



ここでは葬式の流れを2つに分けてそれぞれで行う内容を箇条書きにまとめました。


【1】逝去から納棺まで
1.病院へ故人の引き取り
2.安置
3.打ち合わせ
4.納棺

【2】通夜から葬式まで
5.お通夜
6.通夜振る舞い
7.葬式・告別式
8.火葬



一口に葬式と言ってもしなければならないことがこんなにたくさんあるとは驚きですよね。



また、結婚式と違い葬式は短期間でこれら全ての項目を滞りなく行わなければいけません。



私は曾祖母の葬式で初めてこれらの項目を執り行いましたが、慣れないことをしたこともあり、終わった後はしばらく動けませんでした。



喪主でもない身内の私でさえも大変だと感じたので、もし、葬式について何も知らず突然の身内の不幸で喪主となったらその負担はさらに大きいものになるでしょう。



葬式の流れについて少しでも知っておけば何も分からない不安を抱えるストレスは軽減され、さらに葬式中に何かトラブルが発生した場合も落ち着いて対処することができます。



葬式の流れについて考えることは縁起でもないと思うかもしれませんが、将来の自分のためにも知っておきましょう。



次章では2つに分けた葬式の流れをそれぞれ詳しく確認していきましょう。



葬式の流れ―逝去から納棺まで







先ほども紹介しましたが、逝去から納棺までの流れは以下のようになっています。



1.病院へ故人の引き取り
2.安置
3.打ち合わせ
4.納棺



それでは1つ1つの項目を詳しく見ていきましょう。



1.病院へ故人の引き取り




近年では、在宅看護を行い自宅で亡くなるケースも増えてきましたが、それでも多くの人は病院で最後の時を迎えます。



病院で亡くなった場合、医師や看護師の指示に従って手続きを進めていきましょう。



病院では亡くなった人を長時間預かることができないので、「○時までに故人を迎えに来てもらってください」と時間を指定して故人の搬送をお願いされます



ここで葬儀社が既に決まっている場合は、葬儀社に連絡して故人の搬送を依頼します。



葬儀社が決まっていない場合は、病院からの葬儀社を紹介されることもあります。



ですが、病院から紹介された葬儀社が必ずしもいい業者とは限りません。



なるべくならば、生前に故人と相談し葬儀社をいくつか回っておくことをおすすめします。



生前に葬儀社を決める方法については以下の記事に詳しく掲載しておりますので、ご覧ください。



葬義業者の選び方!家族の負担を少なくするために考える



2.安置




葬儀社に搬送を依頼したら、葬儀社の安置所または自宅に故人を搬送します。



自宅に故人を搬送する際は、葬式までに故人の身体が腐敗しないようドライアイスの準備や空調の調整などを忘れずにしておきましょう。



3.打ち合わせ




故人の安置が終わると葬式内容の打ち合わせを葬儀社と行います。



打ち合わせの主な内容を以下にまとめました。



・式の日程
・式場
・火葬場の予約
・宗教
・参列者のおおよその人数
・葬式のスケジュール
・葬式内容(祭壇、料理、返礼品など)
・見積もり



打ち合わせで決めなければならないことは意外と多いですよね。



私の曾祖母の葬式では、私を含めて家族や親せきのほとんどが葬式を催すのが初めての人ばかり。



手探りの中で行った打ち合わせは3時間にも及びました。



喪主だった祖父の負担は大きく、葬式後はしばらく寝込んでしまいました。



このように何も分からない状態での打ち合わせは、喪主を含め家族に大きな負担を与えます。



家族の負担を減らすためにも、できれば葬儀社をいくつか回って見積書を見ておくと打ち合わせの時間が大幅に短縮されますよ。



4.納棺




通夜の日程が決まったら、故人を通夜の日にお棺に納めます。



貴金属など火葬場が禁止しているもの以外で故人の思い出の品があれば一緒に納めることができます。



私の曾祖母の納棺の時は、ひ孫からの手紙と曾祖母が好きだったお菓子を棺に納めました。







葬式の流れ―通夜から葬式まで








納棺まで済んだらいよいよ葬式にうつります。



通夜から葬式までの流れは以下のようになっています。



5.お通夜
6.通夜振る舞い
7.葬式・告別式



5.お通夜




一般的に葬式は2日間にわたって行われます。



1日目に行うのがお通夜で、本来は個人の家族や親せき、親しい友人が線香やろうそくの火を絶やすことなく、故人と夜通し過ごす儀式でした。



ですが、お通夜の流れは時代とともに変わり、今では仕事関係の人や近所に住む方も参列しやすい18~19時頃から簡易的な儀式が行われるように。



簡易的になったとはいえ、故人を偲ぶという習慣はいつの時代も変わらないものですね。



一般的な通夜の流れは以下のようになっています。



・受付
・僧侶の読経
・遺族、親族、参列者の焼香
・通夜振る舞い



通夜振る舞いを含めると、通夜にかかる時間は約2~3時間。



焼香まででしたら約1時間で通夜の儀式は終了します。



ですが、仕事の都合や遠方から来る参列者の中には通夜の時間帯に間に合わないことも。



私も曾祖母の葬式で経験しましたが、通夜の日は僧侶の読経、通夜振る舞いが終わっても、ひっきりなしに人が出入りして家族がその対応に追われました。



6.通夜振る舞い




通夜振る舞いとは、葬式の後に参列者を別室に案内し飲食を振る舞うこと。



一般的に通夜に参列する人は故人と深い付き合いのあった人や親せきに限られるので、そこまで多くの人が通夜振る舞いの席に着くことはありません。



ですが、私が経験した曾祖母の葬式は例外で、多くの人が通夜振る舞いの席にも参加しました。



曾祖母は90歳という大往生でこの世を去ったので、親しい友人などはほとんどいなかったのですが、農家を営んできたことから近所に住む多くの人が葬式に参列したからです。



そのため、後日葬儀社からの請求書を見ると、飲食代がかなり高額になっていました。



地域の習慣なので、必要経費ではあるのですが、この経験から自分の葬式ではこのようにならないよう、家族だけの葬式にしようと心に決めました。



7.葬式・告別式




通夜が行われた翌日に行われるのが葬式・告別式になります。



本来、葬式と告別式は別ものです。



葬式…遺族や親族が個人の冥福を祈り、成仏を願って行われる儀式
告別式…故人の友人・知人が最期のお別れをする儀式



ですが、最近では葬式と告別式が同時に行われるのが一般的になっています。



葬式・告別式の流れは以下のようになっています。



・受付
・開式の辞
・僧侶の読経
・遺族、親族、参列者の焼香
・弔電
・喪主の挨拶
・閉式の辞
・お別れ
・出棺



先ほど紹介した通夜の儀式と比較すると項目が多いのがお分かりいただけるかと思います。



ですが、葬式・告別式にかかる時間は意外と短く、時間を要するのは僧侶の読経(約40分)で弔電代読、喪主の挨拶、焼香などを含めても約1時間程度になります。



出棺後は、火葬場へ行き遺族・親族は故人と最後の別れをすることになります。



8.火葬




火葬場では、葬式のプランにもよりますが故人を炉の中に入れる前に読経が行われ、遺族との最後のお別れをします。



その後、炉の点火スイッチを遺族の誰かに押してもらい火葬が始まります。



点火から収骨までの所要時間は約2時間程度。



その間、火葬場の控室で待つこともあれば、葬儀社に戻り初七日法要、精進落としの会食の席を設けることもあります。



なお、私の曾祖母が亡くなった際は、親せき一同火葬場で待っていました。



その日は雲一つない青空で、曾祖母はいい日に旅立っていったのだなと思った記憶があります。



なお、火葬と葬式・告別式の順番は前後することも珍しくはありません。



それは火葬の予約によっては希望通りの時間に火葬することができないから。



葬式・告別式、火葬の順番については、葬儀社との打ち合わせで決定するのでしっかりと確認しておきましょう。



まとめ







故人の逝去から火葬まで一連の葬式の流れについてまとめましたが、いかがでしょうか。



葬式後も家族にゆっくりしている暇はなく、葬儀社の請求や役所での手続き、故人の職場や友人に挨拶などやることは山積みです。



なので、葬式の流れだけでも把握して、いざというときにバタバタしないようにしたいですよね。



今回ご紹介したのはあくまでも一般的な仏式の一般葬の流れ。



最近では様々な葬式プランも用意されており、家族の負担がもっと少なくなるようなプランもあります。



プランについては以下の記事が参考になりますので、是非ご覧ください。



葬儀の平均額は約200万円!葬儀の規模に応じた相場も紹介